2016年1月22日金曜日

Rehabilitación de El Salvador

今回は、エルサルバドルのリハビリテーション事情について。

お隣の国ですが、もちろん大きな違いがあります。
世界のリハビリテーション事情を知る上で
何かの手掛かりになれば良いかと思いますので
興味のある人は参考程度に見てみてください。

中米と言っても
単純に一人当たりGDPをホンジュラス基準で比較すると
ホンジュラス、ニカラグアは同程度
グアテマラ、エルサルバドルはその約2倍
コスタリカ、パナマとは4の開きがあります。

エルサルバドルとホンジュラスのリハビリ事情で言えば
単純にGDPでは比較できないほどの差があると言っても良いでしょう。


まずはエルサルバドル資格等々について
PTOTのダブルライセンスシステムをとっています。
資格所得にかかる時間は6年間。
その後は、PTとしてもOTとしても働く事ができます。
もちろん学士として扱われます。

エルサルのリハ協会によると
今後はライセンスを分ける方針に変更していくらしいですが
2016年の現状ではこんな感じ。

ちなみにエルサルリハ協会と言えば
UCPUnited Cerebral Palsyと言うアメリカの団体が大きく関与しています。
UCPの事を知っている日本人は少ないと思いますので少し補足します。
と言っても僕もよく知りませんが、
その組織は、アメリカのリハビリテーションNGOのようです。
エルサルバドルのリハビリ中核施設にはUCPPT
つまりアメリカ人が“指導者”と言う立場で多く派遣されています。
UCP

UCPの組織の構成は分かりませんが
主体はランチョロスアミゴス病院のスタッフのようです。
PTの方なら聞き覚えはありますよね?
この組織は、エルサルリハ協会との繋がりが非常に深く
エルサルリハ会では大きな権力を持っています。
日本でもおなじみのこの表

この組織の方針は、完全なる指導的立場で
アメリカ式のリハを伝達する事のようです。
良い面もあるのでしょうが、果たしてどーなのかその方針は...

おそらくですが、今後10年間はUCPが主体となって
エルサルのリハを教育していくと言う契約を協会と結ぶ事になると思います。
エルサル協会は悩んでいるようですが、状況的には断るのは難しいようです。


少し脱線しましたが
今回、僕が訪れたのは
2人の協力隊員が活動している施設。
ここはおそらくエルサルで一番のリハビリ施設だとのこと。

門構えも立派

運営は、Teleton
うーん。説明が面倒ですが
日本で言う緑の羽根募金の組織が運営しているような感じです


たくさんの企業が協賛しています。



ここには
リハ医、PTOTST、臨床心理士、職業訓練士
義肢装具士、ソーシャルワカー等が在籍しています。

設備は本当にびっくり。
PT


OT

リハ用プール

小児療法室


職業訓練室

義肢装具室


三次元動作解析室

福祉用具を買える場所も

他にも富裕層対象のリハビリ室もあります。

施設としては、日本の大病院と比べても全く引けをとることはないでしょう。
三次元動作解析室って。。。笑
ちなみにリハビリを目的とした三次元動作解析装置は
エルサルバドル、近くでは南米のチリ以外にはまだないようです。

この施設でリハビリをどのように提供しているかというと
まずはリハ専門医による診察。
その後、リハ医によってリハビリ実施期間、必要なリハ分野を決定すると言う流れです。
日本のように保険制度による区切りはなく、
医者のさじ加減によってリハ期間は決定されます。
ですので、中には数年間通院している方々もいるみたいです。
この施設はエルサルの代表的な物ですので、リハビリ待機患者も少なくないようです。

そして、ここの施設のセラピストは
一応、この国でのトップレベルとのこと。
なので、やはりある程度の知識を持っているのでしょう。
ちなみに特別な手技等は実施していません。
ボバース、PNF、ボイタなどは言葉で知っていますがどれも知識レベルのようです。

やはり中米の共通事項として、
講習会、研修会等が極端に少ないことは一つの特徴でしょう。

アメリカを超えてセラピストの数では世界一になった日本。
そういう意味では、様々な知見を得られやすい環境であるのは間違えないでしょう。

次に装具事情でも書きましょう。
ホンジュラスの装具事情は以前お話したと思うのですが
この国はどうか?

僕の印象ではホンジュラスよりは遥かに充実しています。
この施設を見ているからかもしれませんが。

流行りのゲートソリューションなんて物はありませんが
一般的はプラスチック装具であれば免荷装具から火傷用の装具まで
かなりの対応ができるようです。

免荷装具


ただ、片麻痺患者に関しては
装具の作成時期、期間の問題は大きいようです。
しかし、時には三次元動作解析装置で
装具作成を検討する意気込みは素晴らしいと感じました。

プラスチック装具

あと基本的には金属支柱の装具がありません。
コストや技術の問題があるようです。

さてさて、ちなみにここで活動していた2人隊員達はというと
活動として、各評価表の導入、装具検討・作成方法の検討、
小児向け感覚統合訓練の導入などなど取り組んでいるとのことです。

活動中のちーちゃん

ホンジュラスにいる僕からすれば
レベルの高い内容に驚かされたのは言うまでもありません。



ちなみに地方ではどうか?

地方では結いる保健所にセラピストが配属されており
彼らが訪問する形でリハビリを行っているとのこと。

このシステムにも問題は多くあるのでしょうが
ホンジュラスでもこの方法は検討する価値が有るものだと感じます。


中米でお隣。
類似した問題も多くありましたが、それ以上に大きな違いも多いように感じました。


エルサルの美女に囲まれて♪

と言うことで、今回はこれくらい。
今後も世界のリハ事情を調べていきます。
ちゃお



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