2015年10月7日水曜日

Puntillo


「光佑は日本の教育がホンジュラスより全て優れていると思っている。」


ある日、日本の教育は素晴らしいよねと、
ある患者に言われた後に貰った同僚からの一言だった。

冗談ではあるものの、どこか皮肉を交えたようなニュアンスで
何となくその皮肉を感じ取った僕は返す言葉に詰まってしまった。

そんなこと今まで一言も言っていなかったのになー。
と思いながら何となくスッキリしない気持ちになった。
彼女たちの目にはその様に写っているんだ。。。

とは言え、その指摘に関して全く心当たりがないわけでは無い。
僕はどこか支援する側とされる側と言う見方を、
短なこの環境にも当てはめてしまっている。

この考え方は間違えではないけど、やっぱりどこか間違っている。

自分の気持ちなんて言葉にしなくても、感じ取られるものだな。
はっとさせられる出来事だった。

そして、今日もまた一つ。
いつものように新患の初診を行っていた僕。
午後からそのカルテ整理をしていた同僚が、声をかけてきた。

「この診断名なに?診断名じゃなくて症状名になってるじゃん。どういうこと?」

その指摘にギクッとした。
実際のところ診察時に特異性が乏しい症状から
診断名の判断にかなりの迷いを生じていたからだ。

そのあと続けて
「私も一緒に見ておけばよかった。」
と同僚がつぶやいた。

僕は物凄い嫌悪感を抱いた。

その場は笑いながら説明して誤魔化したが、
指摘した彼女はどんな気持ちだったのだろう?
少なくとも僕の気持ちは全く晴れなかった。

仕事が終わり、ふと考えてみる。

何故、あんなにも彼女の発言に嫌悪感を抱いたのだろう。。。
彼女の言い方には多少なりとも棘があったがそれが原因なのか?
彼女の言ったことは間違っていたのか?


少し考えればわかる事だった。
彼女は何も間違っていない。
当たり前の事を指摘してくれただけだ。

むしろ間違っていたのは僕の方だった。
診断名は指摘された通り不適切だった。僕の評価が甘かった
だけど僕はその時、同僚に助言を求めずに一人ですべて判断していた。
一番、被害を被るのは患者さんなのに。

では、何故?
単に間違えを指摘されたのが許せなかったのか?
もう一度考えてみる。

その答えもすぐに出た。

結局の所、僕は心の底からは
彼女たちをリハビリテーションセラピストとして認めていない。
少なくとも彼女たちより自分の方が優れていると感じている。
そんな彼女達にご最な事を指摘されたから驚くほどの嫌悪感を抱いたのだろう。

なんて情けない事だろう。
自分の方が知識の技術も上だ。
日本のリハビリの方が優れていると言う奢りとプライドもあった。
僕にはそんなに誇れるものなんて無いはずなのに。
自分が酷く小さい人間に思える。

人を変える為に来たはずなのに
信頼関係が基本だと分かっているはずなのに
なんでこんなにも下らない態度を取ってしまっているのだろうか。
気に触る態度をとられるのは、自分の態度が鏡に写っているだけなのに。

まずは相手存在を、相手の仕事を認めなくては
相手からも認めてはもらえないし、同じステージで話し合う事もできない。
言葉では簡単に言うくせに、自分の嫌な部分がすごく邪魔をしている。
なんかそんな感じ。

意思疎通が難しかったことや
納得のいかない価値観が多かった事のせいにして
逃避して適当な理由をつけて合理化して。。。
勝手に壁を作って。。。。



1年3ヶ月経ったのに
なにしてんだろう。



こんな基本のところで躓いて
ここにいれる時間は限られているのに。
自分がやりたい事は、こんな下らないプライドを誇示する事じゃないはずなのに。
自分がなりたくなかったセラピストになっている気がする。


指摘してくれた彼女に感謝しよう。


もう一度、気持ちをクリアにしてみよう。
下らないプライドは置いといて、彼女たちとまた正面から話してみよう。
目を背けていた現実としっかり向き合おう。



なんとも頭の痛い夜。。。



だけど、まだまだ間に合うよね。
とりあえず、明日は自分の間違えを認める事から始めよう。
彼女としっかり話せるかな 笑


とりあえず一歩踏み出さないとね。

4 件のコメント:

  1. こんにちは(*^^*)
    田中さんからサイトを教えて頂きました!
    OTの山田慧子(旧姓:川原)です。
    私も協力隊員になりたく、ぼちぼち準備してますが、何をすればよいのやら手探り状態です。
    濵田さんは、日本の病院で働いているときにしておけば良かったこと、してて良かったことってありますか?
    濵田さんのブログに、とても勇気とわくわくを貰っています。
    残りの期間、大変なことも多いと思いますが頑張って下さい:.* (°´˘`°)/

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    1. 山田さんこんにちは。
      コメントありがとうございます。なんとなく存知あげてます♪
      協力隊に必要な事の一番はやはり折れない心でしょう 笑
      と言いつつも、実際の臨床場面では小児の勉強をもっとしておけばよかったと感じる事が多いです。
      特にOTの要請では過半数が小児関係の案件なので、もし協力隊に興味があるのならば抑えておきたいところだと感じています。
      あと特別専門的な知識に関しては心配する必要はないですが、即時効果が出るような治療法を習得しておくと語学に不安がある時期には信頼関係を築くのに良いように働くかもしれません。

      何か気になる事があったら気軽にいつでも聞いてください♪

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  2. Hallo!!
    How were your days of there?

    こっちでの連絡は久しぶりやね!!
    まだ1年3ヶ月しかたってないたい!!
    Keep your chin up 😊

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    1. お久しぶりでございます。
      そちらの調子はいかがですか?笑

      時間が過ぎるのは本当に早い。
      ボチボチだけどしっかり活動していきます♪

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